「実家を売るかどうか、まず査定だけしてみたい」
「不動産一括査定って便利らしいけど、本当に使って大丈夫?」
「査定額の幅が大きすぎて、どれを信じればいいか分からない」
実家の売却を検討するとき、最初の関門が「査定」です。
査定額が分かれば、その後の判断(売る・残す・貸す)が現実的に進められます。
ただし、不動産査定には独特のルールがあり、知らずに進めると業者の言い値に振り回されてしまうことも。
この記事では、初めて不動産査定を依頼する方が押さえておきたい3つの基本をお伝えします。
この記事でわかること
- 不動産査定の2種類(机上査定・訪問査定)の違い
- 一括査定サービスの正しい使い方
- 査定額に騙されないための3つの基本
- 査定額と実際の売却価格は違う、という現実
- 査定後に売却を決めなくても大丈夫
まず、「査定=売却決定」ではない
査定の話に入る前に、一つ大切なこと。
査定を依頼する=売却を決めた、ではありません。
「とりあえず査定額を知りたい」「売る前提でなく、現状の不動産価値を知っておきたい」という理由での査定依頼は、まったく問題ありません。
業者によっては査定後に営業電話がしつこく来るケースもありますが、それは別問題。
査定そのものは無料で、依頼者にリスクはないので、安心して進められます。
査定の2種類(机上査定と訪問査定)
不動産査定には2つの種類があります。
机上査定(簡易査定)
- 物件の住所・面積・築年数等の基本情報だけで査定
- メールやウェブで完結
- 査定時間: 数分〜数時間
- 精度: 中程度(立地・面積で機械的に出す)
- 営業電話のリスク: 低〜中
訪問査定
- 実際に物件を訪問して査定
- 1〜2時間の立ち会いが必要
- 査定時間: 1〜3日
- 精度: 高い(内装・設備状態を反映)
- 営業電話のリスク: 中〜高
進め方の推奨
- まず机上査定で5〜10社のおおまかな相場感を掴む
- 次に中央値の2〜3社に訪問査定を依頼
- 最終的な売却を任せる業者を選ぶ
いきなり訪問査定だと、業者からの営業圧力が強くなります。
机上査定→訪問査定の段階を踏むのが、初心者には安心の進め方です。
一括査定サービスの正しい使い方
一括査定サービスを使うと、1回の入力で複数業者の査定を取れます。
主な一括査定サービス
- イエウール: 提携2,300社以上、地方物件にも対応
- HOME’S 売却査定: LIFULL運営、信頼性高い
- リビンマッチ: シンプルな操作、業者を絞り込める
- Yahoo!不動産 売却査定: 最大10社に一括依頼
使い方のコツ
- 入力情報(住所・面積・築年数)はなるべく正確に
- 連絡方法は「メール優先」を指定(電話攻めを避ける)
- 「査定段階で、まだ売却を決めていない」と備考欄に記載
- 5〜6社程度から査定を取る(多すぎると比較が大変)
営業電話を減らすコツ
一括査定後に営業電話が殺到することがあります。対策:
- フォームの備考欄に「電話連絡は不要、メールで連絡を」と明記
- 携帯番号は必須項目だが、留守電にして対応
- 「他社にも査定依頼している」と最初に伝える(過度な営業を抑制)
基本1: 査定額が一番高い業者を選ばない
これが、初心者が最も騙されやすいポイントです。
査定額が高い業者の罠
一部の業者は、最初に高額な査定を提示して契約を取り、後で「値下げしないと売れません」と圧力をかける手法を使います。
これを「高値査定の罠」と言います。
中央値の業者を選ぶ
5〜10社の査定を並べたとき、極端に高い1〜2社と、極端に低い1〜2社を除いた中央値あたりの業者を選ぶのが基本です。
査定額の妥当性を確認する方法
- 似た条件(築年数・面積・立地)の周辺の取引事例を確認
- レインズ・マーケット・インフォメーションで成約価格を調査
- 不動産ポータルサイト(SUUMO・HOME’S・アットホーム等)で類似物件の売出価格を確認
「査定額1,500万円」と言われても、近隣の類似物件が800〜1,200万円で売れているなら、その査定額は過大です。
基本2: 査定額 ≠ 売却価格、と理解する
査定額は「この値段で売れるかもしれない」という業者の見立てに過ぎません。
実際の売却価格の傾向
- 売出価格: 査定額の8〜9割で設定するのが一般的(値引き交渉を見越して)
- 成約価格: 売出価格からさらに5〜10%値下げするケースが多い
- 結果: 査定額の70〜80%で売れることが、地方物件では珍しくない
「査定額1,500万円」の現実
- 売出価格 1,300万円
- 成約価格 1,100〜1,200万円
が現実的なライン。
地方の戸建ては買い手がつきにくいため、査定額より下がる傾向が強いです。
「査定額=売れる金額」と思い込まないことが大切です。
基本3: 査定後、すぐに売却を決めない
査定が出たら、すぐに媒介契約を結ぼうとする業者がいますが、急ぐ必要はありません。
落ち着いて検討すべきこと
- 売却以外の選択肢(賃貸・空き家バンク・解体等)
- 売却タイミング(税制特例の期限・季節要因)
- 媒介契約の種類(専属専任・専任・一般)
- 兄弟との合意形成
焦らせる業者は要注意
- 「今決めないと買い手を逃します」
- 「他のお客さんも検討中で」
- 「今月中に契約すれば手数料を割引きます」
このような言葉が出てきたら、その業者は要警戒です。
不動産売却は、一生に何度もない大きな取引。
2〜4週間かけて、複数の選択肢を比較してから決めても遅くありません。
査定額の精度を上げる工夫
訪問査定の前に、以下を準備しておくと査定の精度が上がります。
訪問査定で見せたい資料
- 登記事項証明書
- 公図(法務局で取得)
- 固定資産税納税通知書
- 建築時の図面・パンフレット
- リフォーム履歴
- 土地境界の確認資料(あれば)
物件の状態を整える
- 室内の片付け(査定時の印象が上がる)
- 庭木の手入れ
- 雨どい・外壁の汚れを落としておく
ただし、大きなリフォームを売却前に行う必要はありません。
リフォーム費用を回収できないケースが多いため、現状のままで査定するのが基本です。
まとめ
実家の不動産査定で押さえたい3つの基本:
- 査定額が一番高い業者を選ばない(中央値の業者が基本)
- 査定額 ≠ 売却価格、と理解する(実際は7〜8割で成約することも)
- 査定後、すぐに売却を決めない(他の選択肢も含めて比較)
「査定を依頼する=売却を決めた」ではないので、安心して一括査定から始めてみてください。
査定額が分かれば、ご家族で「売る・残す・貸す」の判断材料が揃います。

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