親が亡くなった後にやることリスト、7日・49日・1年で整理

親が亡くなった直後は、悲しみや喪失感のなかで、矢継ぎ早に手続きが発生します。

「何から手をつければいいのか分からない」
「期限のある手続きを見落としそう」
「遠方在住で、地元に行けない時間も多いなか、どう進めればいいのか」

このような状況にいる方のために、親が亡くなった後にやることを「7日以内」「49日以内」「3〜10ヶ月」「1年〜3年」の時系列で整理しました。

すべて完璧に覚える必要はありません。
チェックリストとして、必要な時に参照していただければと思います。

法律・税務情報の前提: 本記事は2026年5月時点の制度に基づきます。各種期限・手続きは変更される可能性があるため、市町村役場・税務署・司法書士等にご確認の上、進めてください。

目次

この記事でわかること

  • 親が亡くなった後の手続きを時系列で整理(チェックリスト形式)
  • 期限のある手続きと、後回しにできる手続き
  • 遠方在住者ならではの進め方の工夫
  • 兄弟がいる場合の役割分担
  • 困ったときの相談先

まず、お疲れさまでした

親を亡くされて、深い悲しみのなかで、この記事を読んでくださっているかもしれません。

これからお伝えする手続きは、確かに重要です。
ですが、「全部一気にやらなくてもいい」「分からないことは後で誰かに頼っていい」と知っておいてください。

期限がある手続きを優先しつつ、ご自身のペースで進めていきましょう。

死亡当日〜7日以内

最も慌ただしい時期です。葬儀社と連携しながら進めるものがほとんどです。

やること

  • [ ] 死亡診断書の受け取り(医師から)
  • [ ] 死亡届の提出(7日以内・市町村役場)
  • [ ] 火葬・埋葬許可申請(死亡届と同時)
  • [ ] 葬儀の手配・実施
  • [ ] 親族・関係者への連絡
  • [ ] 遺体の搬送先決定(自宅 or 葬儀場)

葬儀社に任せられる部分

  • 死亡届・火葬許可の代行(葬儀社が役場手続きを代行することが多い)
  • 葬儀の進行
  • 遺族控室・霊柩車・式場の手配

葬儀社選びは、慌てて決めるとトラブルになりがち。
病院から「すぐ搬送先を」と言われても、可能なら近隣の葬儀社を2〜3社比較する余裕を持ちましょう。

遠方在住者の場合

  • 病院から訃報を受けたら、すぐに帰省手配(深夜便・新幹線等)
  • 配偶者や兄弟と役割分担(誰が現地で、誰が東京で連絡担当か)
  • 葬儀の日程は、遠方の親族の集まりやすさを考慮して2〜4日後に設定するケースが多い

〜14日以内: 役所手続きが集中

葬儀が一段落したら、各種の役所手続きが必要になります。

期限14日以内

  • [ ] 健康保険の資格喪失届(国民健康保険・後期高齢者医療保険等)
  • [ ] 介護保険の資格喪失届(65歳以上の場合)
  • [ ] 世帯主変更届(故人が世帯主だった場合)
  • [ ] 年金受給停止手続き(国民年金は14日、厚生年金は10日以内)

これらはすべて、亡くなった親が住んでいた市町村役場で行います。
遠方在住の場合、まとめて1日で済ませる「お悔やみ窓口」を設置している自治体が増えています。

「お悔やみ窓口」の活用

  • 役場のフロアを案内付きで回って、必要な手続きをまとめて行える
  • 事前予約が必要な自治体もあるので、葬儀後に役場へ電話で確認
  • 必要書類: 故人と相続人の戸籍、印鑑、本人確認書類等

〜49日(四十九日)頃まで

法要と並行して、財産関係の手続きが始まります。

法要関係

  • [ ] 初七日・四十九日法要の準備(葬儀社・お寺と相談)
  • [ ] 香典返しの手配
  • [ ] 戒名・位牌・仏壇の準備(必要に応じて)

財産関係

  • [ ] 預貯金の口座確認・凍結対応
  • [ ] 公共料金(電気・ガス・水道)の名義変更 or 停止
  • [ ] 電話・インターネット・スマホ契約の解約
  • [ ] クレジットカードの解約
  • [ ] 生命保険の請求(複数加入あれば全て)
  • [ ] 国民年金の死亡一時金請求(該当者)
  • [ ] 遺族年金の手続き(該当者)
  • [ ] 介護施設・病院の精算
  • [ ] 新聞・サブスクサービス等の解約

預貯金口座について

銀行が死亡を把握すると、口座が凍結されます。
凍結解除には、戸籍謄本・相続人全員の印鑑証明書・遺産分割協議書等が必要で、1〜2ヶ月かかることが一般的です。

緊急で資金が必要な場合は、「預貯金の仮払い制度」(150万円まで・各金融機関別)が使えます。

〜3ヶ月以内: 相続放棄の判断期限

ここから法的な期限のある手続きが入ってきます。

期限3ヶ月以内

  • [ ] 相続放棄/限定承認の判断(自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内)
  • [ ] 遺言書の確認(自宅・貸金庫・公証役場・法務局)
  • [ ] 相続財産の概算把握(預金・不動産・有価証券・保険・借金等)

相続放棄を検討すべきケース

  • 親に多額の借金がある(住宅ローン・連帯保証等)
  • 不動産が地方にあり、維持費が負担で、価値が低い
  • 連絡を取っていなかった親で、財産状況がまったく不明

相続放棄は3ヶ月の期限を過ぎると基本的に不可能になります。
財産状況が不明な場合は、早めに家庭裁判所に「期間伸長の申立て」をすることもできます。

遺言書の探し方

  • 自宅: 仏壇、机の引き出し、貸金庫
  • 公証役場: 公正証書遺言があるかを照会(全国どこの公証役場でも可能)
  • 法務局: 自筆証書遺言保管制度の利用有無を照会
  • 司法書士・税理士事務所: 親が顧問契約していた可能性を確認

〜4ヶ月以内: 準確定申告

故人が確定申告をしていた場合(個人事業主・複数収入・年金収入で確定申告対象だった等)に必要な手続きです。

準確定申告

  • [ ] 準確定申告の提出(相続開始から4ヶ月以内・税務署)

必要な場合

  • 個人事業主だった
  • 不動産所得があった(賃貸物件等)
  • 年金収入が400万円超
  • 給与+その他所得で確定申告が必要だった

不要なケースのほうが多いですが、該当する場合は税務署または税理士に相談してください。

〜10ヶ月以内: 相続税申告・納付

相続財産が一定額を超える場合、相続税の申告が必要です。

相続税

  • [ ] 相続税の申告・納付(相続開始から10ヶ月以内・税務署)

相続税の基礎控除

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

例: 配偶者+子2人(計3人)→ 3,000+600×3 = 4,800万円
これを超える相続財産がなければ、相続税は発生しません。

多くのケースで相続税は発生しない

国税庁の統計では、相続税の課税対象になるのは全相続のうち約9〜10%です。
地方の戸建てと預金程度の相続では、ほぼ非課税になります。

ただし、都市部に不動産がある、複数の不動産を所有していた、金融資産が多い等のケースでは課税対象になる可能性があります。

不安な場合

相続税の試算は、税理士の初回無料相談で簡易計算してもらえることが多いです。
「うちは税金がかかるのか?」だけでも確認しておくと安心です。

〜1年以内: 遺留分侵害額請求

遺言書で「特定の相続人に全財産」のように偏った内容になっていた場合の救済措置です。

期限

  • [ ] 遺留分侵害額請求(相続開始と侵害を知った時から1年以内)

法定相続人(配偶者・子・直系尊属)には、最低限の取り分(遺留分)が法律で保障されています。
遺言で完全に外された相続人は、1年以内に請求すれば、自分の遺留分相当額を受け取れます。

通常はあまり発生しませんが、兄弟間で「自分だけが遺言から外されていた」場合は要確認です。

〜3年以内: 相続登記・空き家売却の特例

実家(不動産)を相続した場合に重要な期限です。

相続登記の義務化

  • [ ] 相続登記の申請(相続を知った日から3年以内・法務局)

2024年4月施行の制度。期限内に登記しないと10万円以下の過料の対象になります。
詳しくは 相続登記義務化、3年以内にやるべきことを順番に整理 を参照。

相続空き家の3,000万円特別控除

  • [ ] 相続不動産の売却(税制特例適用なら)(相続開始から3年経過する日の属する年の12月31日まで)

実家を売却する場合、要件を満たせば譲渡所得から3,000万円が控除されます。
詳しくは 実家を売ったら税金はいくらかかる? を参照。

遠方在住者の進め方のコツ

ここまでの手続きを、遠方在住で進める場合の工夫を3つ。

コツ1: まとめ訪問で効率化

  • 役所手続き(健康保険・年金・世帯主変更等)は「お悔やみ窓口」で1日に集約
  • 銀行手続きは複数行を1日で回る(電話で事前予約が確実)
  • 葬儀社・お寺・近所への挨拶も同じ訪問で済ます

コツ2: 郵送可能な手続きはオンライン・郵送で

  • 戸籍・住民票・印鑑証明書は郵送請求
  • 法務局の登記手続きは郵送 or オンライン
  • 預貯金の払戻し請求も書面でやりとり可能

コツ3: 司法書士・税理士を上手に使う

  • 戸籍取得から相続登記まで一括代行で10〜25万円
  • 相続税試算は税理士の無料相談で対応してもらえる
  • 遠方依頼に慣れた事務所を選ぶと、書類は郵送でやりとり

兄弟がいる場合の役割分担

兄弟がいる場合は、役割分担で負担を分散しましょう。

役割分担の例

  • 窓口担当: 業者・専門家との連絡集約(1人)
  • 役所担当: 役場手続きを担う兄弟(現地近くの人)
  • 書類整理担当: 必要書類のリスト管理(几帳面な兄弟)
  • 連絡担当: 親族・関係者への連絡を担う

完璧に分担できなくても、「窓口役と書類管理役だけ決めておく」だけでも、進めやすさが大きく違います。

困ったときの相談先

  • 役所の「お悔やみ窓口」(各市町村役場): 役所手続き全般
  • 司法書士: 相続登記・遺産分割・成年後見
  • 税理士: 相続税・準確定申告
  • 弁護士: 相続争い・遺留分請求
  • 葬儀社のアフターフォロー: 葬儀後の各種手続きをサポートする業者あり
  • 法テラス: 法律相談の無料窓口(条件あり)

まとめ

親が亡くなった後の手続きは、時系列で整理すれば見通しが立ちます。

  • 7日以内: 死亡届・葬儀
  • 14日以内: 役所手続き(健康保険・年金・世帯主等)
  • 49日頃まで: 預貯金・保険・公共料金等
  • 3ヶ月以内: 相続放棄判断
  • 4ヶ月以内: 準確定申告(該当者)
  • 10ヶ月以内: 相続税申告(該当者)
  • 1年以内: 遺留分侵害額請求(該当者)
  • 3年以内: 相続登記・実家売却の特例

すべてを覚える必要はありません。
このリストをブックマークしておき、必要なタイミングで確認すれば十分です。

迷ったら、市町村の「お悔やみ窓口」や、司法書士・税理士の初回無料相談から始めてください。
一人で抱え込まず、専門家を頼ることも大切な選択です。


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