「相続登記を司法書士に頼むと、いくらかかるんだろう」
「自分でやれば安くなるって聞くけど、本当に自分でできるの?」
「我が家のケースだと、頼んだほうがいいのか、自分でやれるのか分からない」
相続登記の義務化に伴い、「どうやって登記するか」を判断する場面が増えています。
司法書士に依頼する場合と自分で進める場合で、費用と手間が大きく違います。
この記事では、両方の選択肢を具体的な数字で比較し、ご自身のケースで「どちらが向いているか」を判断する材料をお伝えします。
この記事でわかること
- 司法書士に依頼した場合の費用相場
- 自分でやる場合の費用と必要時間
- 両者を比較するための判断軸
- 自分でやるのが難しいケース
- 費用を抑える3つの工夫
結論を先に: 多くのケースは司法書士依頼が無難
長文を読む前に、結論を一行で。
「実家1件・遺産分割協議書あり・兄弟複数」のような一般的なケースでは、司法書士への依頼が無難です。
費用は10〜20万円程度ですが、書類取得や法務局とのやりとりの手間を考えると、対費用効果は高いです。
「自分でやる」のが向いているのは、相続人が1人(または非常に少人数)で、不動産も1件のシンプルなケースに限られます。
司法書士に依頼した場合の費用
司法書士費用の内訳
| 項目 | 費用目安 |
|---|---|
| 相続登記の基本報酬 | 6〜10万円 |
| 戸籍取得代行 | 1〜3万円 |
| 遺産分割協議書作成 | 3〜5万円 |
| 不動産が複数(2件目以降) | +3〜5万円/件 |
| 相続人が多い(5人以上) | +1〜3万円 |
| 遠方の物件・複雑案件 | +1〜3万円 |
| 総額目安 | 10〜25万円 |
これに加えて、登録免許税(実費)が不動産評価額の0.4%かかります。
実例試算
ケース1: 都内マンションのみ(評価額2,000万円)、相続人1人、遺言あり
– 司法書士費用: 6〜10万円
– 登録免許税: 8万円
– 合計: 14〜18万円
ケース2: 地方戸建て(評価額500万円)、相続人3人、遺産分割協議書要作成
– 司法書士費用: 10〜15万円
– 登録免許税: 2万円
– 合計: 12〜17万円
ケース3: 都内マンション+地方戸建て2件、相続人4人、複雑案件
– 司法書士費用: 18〜25万円
– 登録免許税: 12〜15万円
– 合計: 30〜40万円
地方の小さな不動産1件であれば10〜15万円、複数物件で複雑な案件は25〜40万円が一つの目安です。
自分でやる場合の費用と必要時間
自分でやる場合の実費
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 戸籍謄本(被相続人) | 1通450円 × 数通 |
| 戸籍謄本(相続人全員分) | 1通450円 × 人数 |
| 印鑑証明書 | 1通300円 × 人数 |
| 住民票の除票 | 1通300円 |
| 固定資産評価証明書 | 1通300〜400円 |
| 登記事項証明書 | 1通600円(郵送500円) |
| 登録免許税 | 評価額の0.4% |
| 郵送費・収入印紙 | 数千円 |
| 書類取得費合計 | 5,000〜15,000円 |
書類取得費は1〜2万円程度。
司法書士費用が浮く分、10〜20万円安く済む計算です。
自分でやる場合の必要時間
- 制度の学習: 5〜10時間
- 必要書類の洗い出し: 2時間
- 戸籍取得(郵送請求): 数週間(待ち時間)
- 遺産分割協議書の作成: 3〜5時間
- 申請書の作成: 2〜4時間
- 法務局への申請: 半日(窓口) or 数時間(郵送)
- 補正対応(不備があった場合): 数時間
- 総計: 30〜50時間+待ち時間
「制度の学習」を含めると、初心者で50時間程度はかかります。
司法書士に頼む or 自分でやるの判断軸
以下の質問に答えて、ご自身のケースを判定してみてください。
Q1: 相続人は何人?
- 1人 → 自分でやれる可能性あり
- 2〜3人 → どちらでも可
- 4人以上 → 司法書士推奨
Q2: 不動産は何件?
- 1件 → 自分でやれる可能性あり
- 2件以上 → 司法書士推奨
Q3: 遺産分割協議書は必要?
- 不要(遺言あり、または相続人1人) → 自分でやれる可能性あり
- 必要 → 難易度が上がる、司法書士推奨
Q4: 相続人と連絡が取れる?
- 全員と取れる → 自分でやれる
- 一部取れない → 司法書士推奨
Q5: 相続不動産は遠方?
- 自宅近く → 自分でやれる
- 遠方(別の自治体) → 司法書士推奨(書類取得の手間が大きい)
Q6: 仕事との両立可能?
- 平日昼間に法務局に行ける → 自分でやれる
- 行きづらい → 郵送 or 司法書士
簡易判定
- 「自分でやれる」が4個以上 → 自分でやる選択肢あり
- 「司法書士推奨」が3個以上 → 依頼推奨
自分でやるのが難しいケース
以下のケースは、自分でやるのが極めて難しいです。
ケース1: 相続人の一部が認知症
判断能力が低下している相続人がいる場合、成年後見人の選任が必要。
法律知識が深いと無理。
ケース2: 相続人の一部と連絡が取れない
不在者財産管理人の選任申立てが必要。
家庭裁判所への手続きを含むため、専門家への依頼がほぼ必須。
ケース3: 不動産が多数(3件以上)
書類取得・登記申請の手間が線形に増える。
ミスのリスクも上がる。
ケース4: 兄弟間で対立がある
遺産分割協議が成立しない可能性。
弁護士の介入が必要になることも。
ケース5: 過去の相続が未処理(数次相続)
祖父・祖母世代から相続未了の場合、相続人が芋づる式に増える。
専門家でないと整理が困難。
これらに該当する場合は、迷わず司法書士(または弁護士)に依頼してください。
費用を抑える3つの工夫
司法書士に依頼する場合でも、以下の工夫で費用を抑えられます。
工夫1: 相見積もりを取る
司法書士事務所の費用は、事務所ごとに2〜3倍の差があります。
最低3事務所から見積もりを取って比較してください。
工夫2: 戸籍取得は自分でやる
司法書士に戸籍取得を任せると1〜3万円。
郵送請求であれば、自分でやっても1〜2万円で済みます。
時間がある方は、戸籍取得だけ自分でやって、登記申請を司法書士に任せる「ハイブリッド」が経済的です。
工夫3: 初回無料相談を活用
多くの司法書士事務所が初回無料相談を提供しています。
相談だけして、自分でやるか依頼するかを判断してから契約するのが安全です。
自分でやる場合の参考ツール
- 法務局の登記申請書テンプレート: 公式サイトでダウンロード可能
- 国税庁の登録免許税計算サイト: 自動で税額計算
- 法務局の登記相談: 平日に予約制で相談可能
- 書籍: 「自分でできる相続登記」系の入門書(2,000〜3,000円)
まとめ
司法書士に頼むか、自分でやるかの判断:
- 相続人1人・不動産1件・遺言あり → 自分でやれる可能性あり
- 兄弟複数・複数不動産・遺産分割協議書必要 → 司法書士依頼が無難
- 認知症の相続人・連絡取れない相続人・数次相続 → 司法書士・弁護士へ
費用差は10〜20万円ですが、手間・時間・ミスのリスクを考えると、多くのケースで司法書士への依頼が結果的に得です。
迷ったら、まず司法書士の初回無料相談で「自分でやれそうか」を聞いてみてください。
1時間話せば、自分のケースの全体像がクリアになります。

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