お盆やお正月の帰省は、親と話せる貴重な時間です。
親が元気なうちにこそ、「いざという時のため」の準備を少しずつ進めておくと、将来の負担がぐっと軽くなります。
ただし、「終活」「相続」と切り出すと、親が身構えてしまうことも。
さりげない会話のなかで、自然に確認できることを10項目にまとめました。
帰省のたびに1〜2項目ずつ進めていけば、1〜2年で全部カバーできます。
今回の帰省でできることだけ、選んで使ってみてください。
この記事でわかること
- 親が元気なうちに確認しておきたい10項目
- 「終活」と切り出さずに自然に話す方法
- スマホで記録しておくべき情報
- ご近所との関係づくり
- 帰省できないときの代替案
まず、構えなくていい
このリストは「終活活動」のためのものではありません。
「今度実家で何かあったとき、慌てないため」のささやかな準備です。
親に「これからのこと話そう」と切り出さず、日常会話のなかで自然に確認していけば十分です。
チェック1: 親の健康状態(目で見る確認)
帰省したら、まず親の様子を「見る」だけでも分かることがあります。
観察ポイント
- 体重の変化(明らかに痩せていないか・むくみがないか)
- 階段の上り下りや立ち座りの動き
- 物忘れの頻度(同じ話を繰り返す等)
- 服装や髪型の清潔感
- 家の中の整理状態(以前より散らかっているか)
「最近どう?」と聞いても「元気よ」と返ってきがちです。
目で見て、感じ取ったことを、後で配偶者や兄弟と共有しておくと、変化に気付きやすくなります。
チェック2: 服用している薬の確認
親が日常的に服用している薬は、緊急時に把握しておきたい情報です。
確認方法
- 薬の入った箱や袋を見せてもらう
- スマホで「お薬手帳」をパッと撮影
- かかりつけ医・薬局を聞いておく
「お母さん、最近のお薬って何飲んでるの? お薬手帳、ちょっと見せて」程度の自然な聞き方でOKです。
チェック3: かかりつけ医・かかりつけ薬局・救急時の搬送先
緊急時に「どこに連絡すればいいか」を把握しておくと、いざという時に慌てません。
聞いておきたいこと
- かかりつけ医の医院名・電話番号
- かかりつけ薬局
- 過去に大きな病気をした時の搬送先病院
- 健康診断の頻度・直近の受診日
スマホのメモに「実家関連連絡先」フォルダを作って入力しておくと、緊急時にすぐ参照できます。
チェック4: 通帳・印鑑・権利証の保管場所
万一の時に必要な書類の「ありか」だけは、聞いておきたい情報です。
聞き方の例
「お父さん、もし何かあった時のために、通帳とかどこにあるか教えておいてくれない?
場所だけ知っておけば、何も触らないから安心して」
「場所だけ」を強調すると、親も警戒せずに話してくれます。
確認したい書類
- 銀行の通帳・キャッシュカード
- 印鑑(実印・銀行印)
- 不動産の権利証または登記識別情報通知
- 保険証券
- 年金関連書類
- 預金以外の金融資産(株式・投資信託)の証券
すべて聞き出す必要はありません。「いざという時に困らないように、ざっくり場所だけ」のスタンスで。
チェック5: 加入している保険の一覧
生命保険・医療保険・火災保険等の保険会社と契約内容も、一度確認しておきたい情報です。
確認方法
保険証券をまとめている引き出しや書類ボックスを見せてもらう。
スマホで証券の表紙だけパッと撮影しておけば、後で確認できます。
確認したい内容
- 加入保険会社
- 保険の種類(終身・定期・医療・がん等)
- 死亡保険金額
- 受取人指定
「お母さんの保険って何に入ってるの?」と軽く聞くだけで、本人も「あ、整理しなきゃ」と気付くきっかけになります。
チェック6: 家の中の写真・動画記録
帰省のたびに、家の中の様子をスマホで撮影しておきましょう。
撮影しておきたい場所
- リビング・各部屋の全体像
- 押し入れ・クローゼットの中身
- 物置・倉庫・蔵
- 庭・外観
- 家電・家具のメーカーシール部分(将来の処分時の参考)
特に「前回の帰省と比べて変わったところ」が分かるよう、定点撮影を意識すると、変化に気付きやすくなります。
チェック7: ご近所の方への挨拶と連絡先交換
実家のご近所さんは、「最も身近な見守り役」です。
帰省のたびに、隣2〜3軒には顔を出して挨拶しておきましょう。
挨拶のとき伝えたいこと
- 自分が誰の子か(「○○の息子(娘)です」)
- 自分の連絡先(電話・LINE)
- 「親に何かあったらこちらに連絡してください」
連絡先の交換だけで、ご近所の方も安心しますし、こちらも何かあった時の第一報を受け取れます。
チェック8: 家の修繕・維持の状態
家の劣化はゆっくり進むため、年に1〜2回の帰省では気付きにくいもの。
意識して見てみましょう。
チェックポイント
- 屋根・外壁にひび割れがないか
- 雨どい・排水溝が詰まっていないか
- 床に異音や沈みがないか
- 水回り(キッチン・風呂・トイレ)に水漏れがないか
- シロアリの形跡(柱・床下)
- 庭木が伸び放題になっていないか
気になる箇所は写真を撮って、地元の工務店に見積もりだけでも取れます。
「修繕しなきゃ」と急がず、状態の把握から始めれば十分です。
チェック9: 親の希望(さりげなく聞く)
直球で「家のことどうしたい?」と聞くと、親も身構えます。
日常会話のなかで、さりげなく聞いてみてください。
自然な聞き方の例
「最近、地元の若い人が空き家を活用しているって聞いたんだけど、お父さんもこの家、誰かに使ってもらいたいとか思う?」
「もしいつか引っ越すことがあったら、どこに住みたい?」
「お母さんは、思い出の家具とか、誰かに使ってもらえたら嬉しい?」
親が話したい気分のときに、答えやすい質問を投げかける。
答えが出てこなくても、それで十分です。「いつかまた聞こう」と思っておけばいい。
チェック10: 兄弟との情報共有
帰省で確認したことは、兄弟とも共有しましょう。
共有方法
- LINEグループで「今回の帰省での気付き」を簡単にメモ
- 撮影した家の写真・動画もシェア
- 親の健康状態の変化を共有
すべての兄弟が同じ情報を持っていれば、いざという時の連携がスムーズです。
「自分だけが頑張っている」と感じる兄弟が出ない工夫も大切です。
帰省できないときの代替案
仕事や家庭の都合で、なかなか帰省できない方もいると思います。
できることの例
- 電話・ビデオ通話の頻度を上げる(月1〜2回・10分でも違う)
- ご近所さんとLINEで繋がっておく(様子を時々教えてもらう)
- 見守りサービスの導入を提案(セコム・郵便局のみまもり等)
- 配偶者・兄弟・親戚との分担(自分が帰れない時は誰かが帰る等)
「帰省できない自分は親不孝」と思う必要はありません。
できる形で、無理のない範囲で親と繋がっておけば十分です。
まとめ
帰省でやっておきたい10項目を振り返ります。
- 親の健康状態(目で見る確認)
- 服用している薬
- かかりつけ医・薬局・搬送先
- 通帳・印鑑・権利証の保管場所
- 加入している保険
- 家の中の写真・動画記録
- ご近所の連絡先
- 家の修繕・維持の状態
- 親の希望(さりげなく)
- 兄弟との情報共有
すべてを一度の帰省で済ませる必要はありません。
今回はこれだけ、次回はあれを、というように、少しずつ進めていけば十分です。
「いざという時のための準備」と構えず、「親と話す自然な口実」として使ってみてください。

コメント